Ⅰ列王記6-7 ; ルカ20:27-47

Ⅰ列王記

第6章

6:1イスラエルの人々がエジプトの地を出て後四百八十年、ソロモンがイスラエルの王となって第四年のジフの月すなわち二月に、ソロモンは主のために宮を建てることを始めた。6:2ソロモン王が主のために建てた宮は長さ六十キュビト、幅二十キュビト、高さ三十キュビトであった。6:3宮の拝殿の前の廊は宮の幅にしたがって長さ二十キュビト、その幅は宮の前で十キュビトであった。6:4彼は宮に、内側の広い枠の窓を造った。6:5また宮の壁につけて周囲に脇屋を設け、宮の壁すなわち拝殿と本殿の壁の周囲に建てめぐらし、宮の周囲に脇間があるようにした。6:6下の脇間は広さ五キュビト、中の広さ六キュビト、第三のは広さ七キュビトであった。宮の外側には壁に段を造って、梁を宮の壁の中に差し込まないようにした。
6:7宮は建てる時に、石切り場で切り整えた石をもって造ったので、建てている間は宮のうちには、つちも、おのも、その他の鉄器もその音が聞えなかった。
6:8下の脇間の入口は宮の右側にあり、回り階段によって中の脇間に、中の脇間から第三の脇間にのぼった。6:9こうして彼は宮を建て終り、香柏のたるきと板をもって宮の天井を造った。6:10また宮につけて、おのおの高さ五キュビトの脇間のある脇屋を建てめぐらし、香柏の材木をもって宮に接続させた。
6:11そこで主の言葉がソロモンに臨んだ、6:12「あなたが建てるこの宮については、もしあなたがわたしの定めに歩み、おきてを行い、すべての戒めを守り、それに従って歩むならば、わたしはあなたの父ダビデに約束したことを成就する。6:13そしてわたしはイスラエルの人々のうちに住み、わたしの民イスラエルを捨てることはない」。
6:14こうしてソロモンは宮を建て終った。6:15彼は香柏の板をもって宮の壁の内側を張った。すなわち宮の床から天井のたるきまで香柏の板で張った。また、いとすぎの板をもって宮の床を張った。6:16また宮の奥に二十キュビトの室を床から天井のたるきまで香柏の板をもって造った。すなわち宮の内に至聖所としての本堂を造った。6:17宮すなわち本殿の前にある拝殿は長さ四十キュビトであった。6:18宮の内側の香柏の板は、ひさごの形と、咲いた花を浮彫りにしたもので、みな香柏の板で、石は見えなかった。6:19そして主の契約の箱を置くために、宮の内の奥に本殿を設けた。6:20本殿は長さ二十キュビト、幅二十キュビト、高さ二十キュビトであって、純金でこれをおおった。また香柏の祭壇を造った。6:21ソロモンは純金をもって宮の内側をおおい、本殿の前に金の鎖をもって隔てを造り、金をもってこれをおおった。6:22また金をもって残らず宮をおおい、ついに宮を飾ることをことごとく終えた。また本殿に属する祭壇をことごとく金でおおった。
6:23本殿のうちにオリブの木をもって二つのケルビムを造った。その高さはおのおの十キュビト。6:24そのケルブの一つの翼の長さは五キュビト、またそのケルブの他の翼の長さも五キュビトであった。一つの翼の端から他の翼の端までは十キュビトあった。6:25他のケルブも十キュビトであって、二つのケルビムは同じ寸法、同じ形であった。6:26このケルブの高さは十キュビト、かのケルブの高さも同じであった。6:27ソロモンは宮のうちの奥にケルビムをすえた。ケルビムの翼を伸ばしたところ、このケルブの翼はこの壁に達し、かのケルブの翼はかの壁に達し、他の二つの翼は宮の中で互に触れ合った。6:28彼は金をもってそのケルビムをおおった。
6:29彼は宮の周囲の壁に、内外の室とも皆ケルビムと、しゅろの木と、咲いた花の形の彫り物を刻み、6:30宮の床は、内外の室とも金でおおった。
6:31本殿の入口にはオリブの木のとびらを造った。そのとびらの上のかまちと脇柱とで五辺形をなしていた。6:32その二つのとびらもオリブの木であって、ソロモンはその上にケルビムと、しゅろの木と、咲いた花の形を刻み、金をもっておおった。すなわちケルビムと、しゅろの木の上に金を着せた。
6:33こうしてソロモンはまた拝殿の入口のためにオリブの木で四角の形に脇柱を造った。6:34その二つのとびらはいとすぎであって、一つのとびらは二つにたたむ折り戸であり、他のとびらも二つにたたむ折り戸であった。6:35ソロモンはその上にケルビムと、しゅろの木と、咲いた花を刻み、金をもって彫り物の上を形どおりにおおった。6:36また切り石三かさねと、香柏の角材ひとかさねとをもって内庭を造った。
6:37第四年のジフの月に主の宮の基をすえ、6:38第十一年のブルの月すなわち八月に、宮のすべての部分が設計どおりに完成した。ソロモンはこれを建てるのに七年を要した。

第7章

7:1またソロモンは自分の家を建てたが、十三年かかってその家を全部建て終った。
7:2彼はレバノンの森の家を建てた。長さ百キュビト、幅五十キュビト、高さ三十キュビトで、三列の香柏の柱があり、その柱の上に香柏の梁があった。7:3四十五本の柱の上にある室は香柏の板でおおった。柱は各列十五本あった。7:4また窓わくが三列あって、窓と窓と三段に向かい合っていた。7:5戸口と窓はみな四角の枠をもち、窓と窓と三段に向かい合った。
7:6また柱の広間を造った。長さ五十キュビト、幅三十キュビトであった。柱の前に一つの広間があり、その玄関に柱とひさしがあった。
7:7またソロモンはみずから審判をするために玉座の広間、すなわち審判の広間を造った。床からたるきまで香柏をもっておおった。
7:8ソロモンが住んだ宮殿はその広間のうしろの他の庭にあって、その造作は同じであった。ソロモンはまた彼がめとったパロの娘のために家を建てたが、その広間と同じであった。
7:9これらはみな内外とも、土台から軒まで、また主の宮の庭から大庭まで、寸法に合わせて切った石、すなわち、のこぎりでひいた高価な石で造られた。7:10また土台は高価な石、大きな石、すなわち八キュビトの石、十キュビトの石であった。7:11その上には寸法に合わせて切った高価な石と香柏とがあった。7:12また大庭の周囲には三かさねの切り石と、一かさねの香柏の角材があった。主の宮の内庭と宮殿の広間の庭の場合と同じである。
7:13ソロモン王は人をつかわしてツロからヒラムを呼んできた。7:14彼はナフタリの部族の寡婦の子であって、その父はツロの人で、青銅の細工人であった。ヒラムは青銅のいろいろな細工をする知恵と悟りと知識に満ちた者であったが、ソロモン王のところにきて、そのすべての細工をした。
7:15彼は青銅の柱二本を鋳た。一本の柱の高さは十八キュビト、そのまわりは綱をもって測ると十二キュビトあり、指四本の厚さで空洞であった。他の柱も同じである。7:16また青銅を溶かして柱頭二つを造り、柱の頂にすえた。その一つの柱頭の高さは五キュビト、他の柱頭の高さも五キュビトであった。7:17柱の頂にある柱頭のために鎖に編んだ飾りひもで市松模様の網細工二つを造った。すなわちこの柱頭のために一つ、かの柱頭のために一つを造った。7:18またざくろを造った。すなわち二並びのざくろを一つの網細工の上のまわりに造って、柱の頂にある柱頭を巻いた。他の柱頭にも同じようにした。7:19この廊の柱の頂にある柱頭の上に四キュビトのゆりの花の細工があった。7:20二つの柱の上端の丸い突出部の上にある網細工の柱頭の周囲には、おのおの二百のざくろが二並びになっていた。7:21この柱を神殿の廊に立てた。すなわち南に柱を立てて、その名をヤキンと名づけ、北に柱を立てて、その名をボアズと名づけた。7:22その柱の頂にはゆりの花の細工があった。こうしてその柱の造作ができあがった。
7:23また海を鋳て造った。縁から縁まで十キュビトであって、周囲は円形をなし、高さ五キュビトで、その周囲は綱をもって測ると三十キュビトであった。7:24その縁の下には三十キュビトの周囲をめぐるひさごがあって、海の周囲を囲んでいた。そのひさごは二並びで、海を鋳る時に鋳たものである。7:25その海は十二の牛の上に置かれ、その三つは北に向かい、三つは西に向かい、三つは南に向かい、三つは東に向かっていた。海はその上に置かれ、牛のうしろは皆内に向かっていた。7:26海の厚さは手の幅で、その縁は杯の縁のように、ゆりの花に似せて造られた。海には水が二千バテはいった。
7:27また青銅の台を十個造った。台は長さ四キュビト、幅四キュビト、高さ三キュビトであった。7:28その台の構造は次のとおりである。台には鏡板があり、鏡板は枠の中にあった。7:29枠の中にある鏡板には、ししと牛とケルビムとがあり、また、ししと牛の上と下にある枠の斜面には花飾りが細工してあった。7:30また台にはおのおの四つの青銅の車輪と、青銅の車軸があり、その四すみには洗盤のささえがあった。そのささえは、おのおの花飾りのかたわらに鋳て造りつけてあった。7:31その口は一キュビト上に突き出て、台の頂の内にあり、その口は丸く、台座のように造られ、深さ一キュビト半であった。またその口には彫り物があった。その鏡板は四角で、丸くなかった。7:32四つの車輪は鏡板の下にあり、車軸は台に取り付けてあり、車輪の高さはおのおの一キュビト半であった。7:33車輪の構造は戦車の車輪の構造と同じで、その車軸と縁と輻と轂とはみな鋳物であった。7:34おのおのの台の四すみに四つのささえがあり、そのささえは台の一部をなしていた。7:35台の上には高さ半キュビトの丸い帯輪があった。そして台の上にあるその支柱と鏡板とはその一部をなしていた。7:36その支柱の表面と鏡板にはそれぞれの場所に、ケルビムと、ししと、しゅろを刻み、またその周囲に花飾りを施した。7:37このようにして十個の台を造った。それはみな同じ鋳方、同じ寸法、同じ形であった。
7:38また青銅の洗盤を十個造った。洗盤はおのおの四十バテの水がはいり、洗盤はおのおの四キュビトであった。十個の台の上にはおのおの一つずつの洗盤があった。7:39その台の五個を宮の南の方に、五個を宮の北の方に置き、宮の東南の方に海をすえた。
7:40ヒラムはまたつぼと十能と鉢を造った。こうしてヒラムはソロモン王のために主の宮のすべての細工をなし終えた。7:41すなわち二本の柱と、その柱の頂にある柱頭の二つの玉と、柱の頂にある柱頭の二つの玉をおおう二つの網細工と、7:42その二つの網細工のためのざくろ四百。このざくろは一つの網細工に、二並びにつけて、柱の頂にある柱頭の二つの玉を巻いた。7:43また十個の台と、その台の上の十個の洗盤と、7:44一つの海と、その海の下の十二の牛とであった。
7:45さてつぼと十能と鉢、すなわちヒラムがソロモン王のために造った主の宮のこれらの器はみな光のある青銅であった。7:46王はヨルダンの低地で、スコテとザレタンの間の粘土の地でこれらを鋳た。7:47ソロモンはその器が非常に多かったので、皆それをはからずにおいた。その青銅の重さは、はかり得なかった。
7:48またソロモンは主の宮にあるもろもろの器を造った。すなわち金の祭壇と、供えのパンを載せる金の机、7:49および純金の燭台。この燭台は本殿の前に、五つは南に、五つは北にあった。また金の花と、ともしび皿と、心かきと、7:50純金の皿と、心切りばさみと、鉢と、香の杯と、心取り皿と、至聖所である宮の奥のとびらのためおよび、宮の拝殿のとびらのために、金のひじつぼを造った。
7:51こうしてソロモン王が主の宮のために造るすべての細工は終った。そしてソロモンは父ダビデがささげた物、すなわち金銀および器物を携え入り、主の宮の宝蔵の中にたくわえた。


ルカ

第20章

20:27復活ということはないと言い張っていたサドカイ人のある者たちが、イエスに近寄ってきて質問した、20:28「先生、モーセは、わたしたちのためにこう書いています、『もしある人の兄が妻をめとり、子がなくて死んだなら、弟はこの女をめとって、兄のために子をもうけねばならない』。20:29ところで、ここに七人の兄弟がいました。長男は妻をめとりましたが、子がなくて死に、20:30そして次男、三男と、次々に、その女をめとり、20:31七人とも同様に、子をもうけずに死にました。20:32のちに、その女も死にました。20:33さて、復活の時には、この女は七人のうち、だれの妻になるのですか。七人とも彼女を妻にしたのですが」。20:34イエスは彼らに言われた、「この世の子らは、めとったり、とついだりするが、20:35かの世にはいって死人からの復活にあずかるにふさわしい者たちは、めとったり、とついだりすることはない。20:36彼らは天使に等しいものであり、また復活にあずかるゆえに、神の子でもあるので、もう死ぬことはあり得ないからである。20:37死人がよみがえることは、モーセも柴の篇で、主を『アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神』と呼んで、これを示した。20:38神は死んだ者の神ではなく、生きている者の神である。人はみな神に生きるものだからである」。20:39律法学者のうちのある人々が答えて言った、「先生、仰せのとおりです」。20:40彼らはそれ以上何もあえて問いかけようとしなかった。
20:41イエスは彼らに言われた、「どうして人々はキリストをダビデの子だと言うのか。20:42ダビデ自身が詩篇の中で言っている、
『主はわが主に仰せになった、
20:43あなたの敵をあなたの足台とする時までは、
わたしの右に座していなさい』。
20:44このように、ダビデはキリストを主と呼んでいる。それなら、どうしてキリストはダビデの子であろうか」。
20:45民衆がみな聞いているとき、イエスは弟子たちに言われた、20:46「律法学者に気をつけなさい。彼らは長い衣を着て歩くのを好み、広場での敬礼や会堂の上席や宴会の上座をよろこび、20:47やもめたちの家を食い倒し、見えのために長い祈をする。彼らはもっときびしいさばきを受けるであろう」。


Top